「真夏なのに寒い!」体温調節機能が若年者とは違います!
皆様こんにちわ!
管理者をやらさせて頂いております、後藤です!
「夏なのに寒い」「足が冷える」
札幌でも30℃近くの気温に迫るなか、このような訴えをよく耳にします。
そこで!
今回は、「高齢者の体温調節機能」についてお話ししていきたいと思います。
加齢に伴い、暑さや寒さに対しての反応も変化してきます。
注意すべき点などを知っておきましょう!
暑さ、寒さに対する反応が弱くなります!
高齢者は発汗しにくくなります!!!
ヒトには、暑ければ体から熱を放出し、寒ければ体から熱が逃げないようにし、さらに熱をつくる体温調節機能が備わっています。
暑さに対しては、発汗や皮膚血管の拡張が重要な役割をになっています。
しかし、高齢者は一般に、体温の調節に関わる生理機能が低下しています。
さらに、暑さや寒さを感じて適切な衣服を選んだり、空調をつけたりする機能も低下していることが示唆されています。
具体的には、暑くなった時に汗腺が汗を分泌するタイミングが遅くなり、出せる汗の量も減少します。
また、皮膚に分布している、汗をかく能力のある汗腺(能動汗腺と呼ばれます)の数も、加齢とともに低下していきます。
皮膚への血液の流れは暑さとともに増加するものですが、この力も発汗と同様に、高齢者では低下します。
また、高齢者で多くみられる、一部の高血圧の治療薬の服用や、心臓の機能の低下も皮膚血流の反応を弱めてしまいます。
さらに、寒い環境では、体で熱をつくる能力の低下や筋肉量の減少による断熱効果が低下するため、高齢者は低体温になりやすくなります。
熱中症にかかりやすくなります!
高齢者の熱中症は屋内で多く発生!!!
熱中症の年代別の救急搬送数を発表している消防庁のデータによると、高齢者が全体の49.4%を占めています。
また、日本救急医学会の調べでは、高齢者のなかでも年齢が上がるほど発生率が高くなっています。
一方、発生状況も年代による違いが見られます。
若年層では屋外での運動中や仕事中に起こることが多くなっています。
これに対し、高齢者では自宅をはじめとする屋内での発生が半数以上を占め、屋外の場合でも散歩や買い物といった日常生活でのありふれた一場面で起こる割合が多くなっています。
熱中症にならない為に注意すること!
こまめな水分補給を!!!
高齢者のなかには、トイレに行くのが面倒だという理由や、口の渇きを感じにくくなっているせいで、水分を十分に摂取できていない人が多くみられます。
また、心臓や腎臓の機能の低下から、一度に多くの水分を摂取することが望ましくない人もいます。
高齢者にはこのような特徴があるため、周囲の人が、いつでも水分を補給できるように環境を整え、水分をとるようこまめに勧めることが大事です。
それが適切な水分補給につながります。
多くの高齢者が炎天下で作業や運動をする場面は少ないと考えられますので、しっかり食事をとることで必要な塩分摂取を行うことができます。
しかし、暑い場所での農作業など、多くの汗をかくような場合には、若い人と同じようにスポーツドリンクによる水分と塩分の補給をするほうがよいでしょう。
また、食事に含まれる水分は1日の水分摂取量の40%程度を占めています。
1日3食を適切にとるよう心がけることも重要です。
エアコンなどで室温は28℃以下に!!!
高齢者にはエアコンを嫌う人も多いのですが、風が直接あたらないようにして室温を28℃以下に保ちましょう。
部屋に差し込む日光や湿度も影響するので、光を遮る工夫や、室内の温度と湿度が計測できる温度計を設置しておくのも有用です。
周囲の方は高齢者に気を配って!!!
一般に高齢者は体温を調節する能力が低下しているとともに、暑さに対して適切な行動を起こす判断能力も弱くなっている場合があります。
熱中症を防ぐには、室温を適切に保ち、適切に水分を補給することが重要です。
また、日射や湿度の影響を受けないようにする工夫も必要になります。
高齢者自身が気をつけることはもちろんですが、周囲の人は、高齢者は体温調節能力が低下していていることや、暑さに対して適切な行動がとれない場合があることを理解し、室温に注意したり、タイミングを見はからって水分をとらせたりするなど、気を配ることが必要です。
外出時は日傘などで日差しを遮る!!!
高齢者は、夏の炎天下の外出は避けるべきです。
日差しがそれほど強くなくても、日傘や帽子などを使ってさえぎりましょう。
寒いと体が冷えやすくなります!
「老人性低温症」をご存知ですか?
高齢者は、太って大きく見える人でも、一般に筋肉量が低下しています。
このような加齢に伴う筋肉量の低下はサルコペニアと呼ばれ、フレイルと総称される身体機能や認知機能の低下の一因になります。
筋肉には代謝による熱の産生や、寒さに対する体の断熱材としての役割があります。
また、体の代謝をあげる甲状腺ホルモンの分泌機能も高齢者は低下しています。
これらのことは、高齢者が寒さに対して弱いことを示しています。
さらに、皮膚の血管の収縮機能の低下も、寒さに弱くなる原因の一つと言われています。
寒い時に体の中心部の体温が35℃以下に下がった状態を「偶発性低体温症」といいますが、高齢者の体温が低くなった時の状況をとくに「老人性低体温症」と呼びます。
低体温症は、高齢者に限らず、行動が緩慢になったり、眠りについたり、意識障害•低下がみられたりします。
とくに甲状腺低下症や糖尿病などの基礎疾患のある人は注意が必要です。
低体温症は家庭で様子を見ながら回復を望むのは困難で、毛布をかけて体温が低下していくのを防ぎ、ただちに救急車で医療機関に運び治療を受けることが必要です。
参考→https://www.terumo-taion.jp/health/senior/article02.html
今回は、「高齢者の体温調節機能」についてお話させていただきました。
これから夏本番がやってきます!
皆様も熱中症には注意し、水分補給などの対応を欠かさず行いましょう!
以上、後藤でした!!!
後藤
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